「外国人観光客を集客したいけど、どうやってアプローチすればいいかわからない」

「口コミサイトが重要って聞くけど、具体的に何をすればいいの？」

「TripAdvisorやGoogleレビュー以外にも、外国人が使うサイトってあるの？」

インバウンド需要が回復する中、外国人観光客の集客に課題を感じている事業者は多いでしょう。

外国人旅行者の多くは、広告よりも「口コミ」を重視して施設を選ぶため、口コミサイトでの評価が集客に直結します。

本記事では、外国人口コミサイトを活用すべき理由から、世界各国で利用される主要サイトの特徴、具体的な活用ステップ、マーケティングへの応用方法まで、実践的な内容を詳しく解説します。

インバウンド集客を強化したい宿泊施設・飲食店・観光施設の経営者や担当者の方は、ぜひ参考にして効果的な口コミサイト活用の第一歩を踏み出してみてください。

外国人向けの口コミサイトを活用すべき理由

インバウンド需要が回復するなか、多くの事業者が「どうすれば外国人観光客に選ばれるのか」という課題に直面しています。実は、その答えの一つが「口コミサイトの活用」にあります。外国人旅行者の多くは、広告よりも口コミを重視して行動するため、口コミサイトでの評価が集客に直結するのです。

ここでは外国人口コミサイトを活用すべき理由を紹介します。

外国人観光客は口コミを重視しているから

外国人旅行者が日本で宿泊施設や飲食店、観光スポットを選ぶ際、最も信頼する情報源の一つが「口コミ」です。現地の言葉が通じない環境では、事前に他の旅行者の体験談を確認することで、安心して施設を選択できるからです。

調査によると、外国人旅行者の約70%以上が旅行先を決める際に口コミサイトを参考にしているとされています。特に宿泊施設や飲食店では、口コミの評価が予約の決定要因になるケースが非常に多く見られます。

SNSでの情報拡散も重要ですが、口コミサイトは「実際に利用した人の評価」という点で信頼性が高く、旅行者にとって判断材料となりやすいのです。広告やプロモーションでは伝えきれないリアルな体験談が、口コミサイトには蓄積されています。

広告では伝わらない「第三者の声」には価値があるから

企業が発信する広告やプロモーションは、どうしても「良い面」を強調する傾向があります。一方、口コミは実際に体験した第三者の声であり、良い点だけでなく改善点や注意点も含まれるため、より客観的で信頼性が高いと受け取られます。

現代の消費者は情報過多の環境に置かれており、広告に対して懐疑的な姿勢を持つことも少なくありません。また、各国で広告規制が強化される中、企業が自由に主張できる内容にも制限があります。

こうした背景から、口コミは「企業ではなく利用者が語る真実」として価値を持つようになりました。特に外国人旅行者にとって、言葉や文化の壁がある日本では、同じ立場の旅行者による口コミが重要な判断材料となります。

信頼できる口コミが多い施設は、自然と選ばれやすくなり、結果として集客力が向上します。口コミサイトでの評価を高めることは、長期的な信頼構築につながるのです。

外国人がよく使う口コミサイトの種類と特徴

外国人旅行者が利用する口コミサイトは、地域や目的によって異なります。世界的に利用される主要なサイトから、アジア圏で人気のプラットフォームまで、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

世界で利用される代表的な口コミサイト

世界中の旅行者が利用する口コミサイトには、以下のような特徴があります。

サイト名	特徴	主な利用者層
TripAdvisor	宿泊施設・レストラン・観光地のレビューに特化した世界最大級の旅行口コミサイト	欧米・アジア全域の旅行者
Google Reviews	Google検索・Googleマップと連動し、検索結果に直接影響を与える口コミ機能	全世界のスマートフォンユーザー
Yelp	飲食店やローカルビジネスの口コミに強い、北米で特に人気のサイト	主に北米・欧州圏の利用者
Trustpilot	商品やサービス全般の評価を扱う信頼性重視の口コミサイト	欧米圏のオンライン購入者

TripAdvisorは旅行・宿泊業界では最も影響力のある口コミサイトで、多言語対応しているため世界中の旅行者が利用しています。施設の総合評価だけでなく、写真や詳細なレビューが豊富に投稿されるため、旅行者にとって貴重な情報源となっています。

Google Reviewsは検索エンジンと直結しているため、Googleマップで施設を探す際に口コミが表示され、予約や来店の判断に直接影響します。特にスマートフォンで現地検索する旅行者にとって、最も身近な口コミサイトと言えるでしょう。

YelpとTrustpilotは欧米圏で広く利用されており、特にYelpは飲食店やローカルビジネスの評価に強みがあります。欧米からの旅行者をターゲットにする場合、これらのサイトでの評価も重要になります。

アジア圏・新興市場で注目される口コミサイト

近年、アジアからの訪日旅行者が増加する中、アジア圏で人気の口コミサイトやプラットフォームも注目されています。

サイト名	特徴	主な利用者層
小紅書（RED）	写真・動画を中心にした中国のSNS型口コミサイト、旅行・美容・ライフスタイル情報が豊富	中国の若年層・女性層
大衆点評	飲食店・ホテル・観光地の口コミを網羅する中国最大級の生活情報サイト	中国全土の幅広い年齢層
Klook	アクティビティや体験予約と口コミが一体化したアジア圏で人気のプラットフォーム	アジア全域の旅行者
KKday	現地体験・ツアー予約に特化し、口コミと予約機能を統合したサービス	アジア・台湾圏の旅行者

小紅書（RED）は、特に中国の若い女性に人気があり、写真や動画を使った視覚的な口コミが特徴です。旅行先での体験を共有する文化が強く、日本の観光地や飲食店の情報も多数投稿されています。

大衆点評は中国で最も信頼される生活情報サイトで、飲食店の評価だけでなく、宿泊施設や観光スポットの口コミも充実しています。中国からの旅行者をターゲットにする場合、大衆点評での評価は非常に重要です。

KlookやKKdayは、予約と口コミが一体化しているため、口コミを見てそのまま予約できる利便性が高く評価されています。アジア圏の旅行者が現地体験を探す際に頻繁に利用されるため、体験型サービスを提供する事業者にとって重要なプラットフォームです。

SNS口コミとの違いと活用の使い分け

口コミサイトとSNSは、どちらも消費者の声を発信する場ですが、役割と特性が異なります。SNSは拡散力に優れ、リアルタイムで情報が広がりやすい一方、口コミサイトは信頼性と検索性に優れています。

SNSでは、投稿がフォロワーを通じて拡散され、瞬間的に多くの人に届く可能性があります。しかし、投稿は時系列で流れていくため、後から情報を探しにくいという特徴があります。

口コミサイトは、検索エンジンや施設名で検索した際に表示されやすく、旅行者が情報を探す際に直接アクセスされます。また、評価スコアやレビュー数が可視化されるため、施設の信頼性を判断しやすい仕組みになっています。

効果的な活用方法としては、SNSで話題を作り、口コミサイトで信頼を構築するという連携が有効です。例えば、SNSでのキャンペーンやインフルエンサーによる投稿を通じて認知を広げ、その後、口コミサイトへのレビュー投稿を促すことで、長期的な信頼獲得につなげることができます。

口コミサイトを活用したインバウンド集客の基本ステップ

口コミサイトを効果的に活用するには、段階的なアプローチが重要です。情報の整備からレビューの増加、口コミへの対応まで、基本的なステップを順に実行することで、インバウンド集客の効果を最大化できます。

ステップ①：情報を整備して「見つけてもらう」

まず最初に取り組むべきは、口コミサイトやGoogleビジネスプロフィールに正確な情報を登録することです。外国人旅行者がスムーズに施設を見つけられるよう、基本情報を多言語で整備しましょう。

具体的には、施設名・住所・電話番号・営業時間・定休日・料金・アクセス方法などの情報を、少なくとも英語、可能であれば中国語（簡体字・繁体字）、韓国語で記載することが推奨されます。

また、魅力的な写真を複数枚掲載することも重要です。外観だけでなく、料理や客室、施設の雰囲気が伝わる写真を用意し、旅行者が訪問をイメージしやすくしましょう。

GoogleビジネスプロフィールやTripAdvisorへの登録を完了させることで、検索結果に表示されやすくなり、口コミも集まりやすくなります。情報が不完全だと信頼性が低く見えるため、最初の段階で丁寧に整備することが大切です。

ステップ②：レビューを増やす仕組みをつくる

口コミサイトでの評価を高めるには、レビュー数を増やすことが不可欠です。レビューが少ない施設は信頼性が低く見えるため、積極的にレビュー投稿を促す仕組みを作りましょう。

宿泊や体験の後、満足度が高いタイミングでレビュー依頼を行うのが効果的です。チェックアウト時やサービス終了後に、QRコードを記載したカードを渡したり、メールやメッセージでレビューページへのリンクを送ることで、投稿を促せます。

スタッフが直接声をかける場合は、「よろしければご感想をお聞かせください」といった柔らかい表現で依頼し、強制的にならないよう注意が必要です。また、レビュー投稿への感謝として、次回利用時の割引やプレゼントを提供するインセンティブも有効です。

SNSで施設を紹介した旅行者に対しても、口コミサイトへのレビュー投稿を促すことで、SNSと口コミサイトの両方で評価を蓄積できます。

ステップ③：口コミに返信して「信頼を築く」

口コミが投稿されたら、できるだけ迅速に返信することが重要です。返信することで、施設側が顧客の声を大切にしていることが伝わり、信頼性が向上します。

良い口コミには感謝の気持ちを伝え、具体的なコメント内容に触れることで、個別対応している印象を与えられます。一方、悪い口コミには誠実に対応し、改善策を提示することで、他の閲覧者にも前向きな印象を与えることができます。

多言語対応が難しい場合は、自動翻訳ツールを活用することも可能ですが、機械的な翻訳では誤解を招くこともあるため、可能であれば専門家のチェックを受けることが望ましいです。

返信テンプレートを用意しておくと、対応がスムーズになります。感謝の言葉、具体的な内容への言及、改善への取り組みといった構成を統一することで、トーンを保ちながら効率的に対応できます。

口コミをマーケティングに活かす方法

口コミサイトは集客ツールとしてだけでなく、マーケティング戦略全体に活かすことができます。口コミ分析やインフルエンサー連携、ユーザー生成コンテンツの活用など、多角的なアプローチで効果を最大化しましょう。

口コミ分析で見える顧客の本音

口コミサイトに投稿されるレビューは、顧客の本音が詰まった貴重なデータです。星評価だけでなく、コメント内容を分析することで、施設の強みや改善点を明確に把握できます。

例えば、複数のレビューで「スタッフの対応が素晴らしい」というコメントが見られる場合、それは施設の強みとして積極的にアピールできるポイントです。一方、「Wi-Fiが遅い」といった指摘が繰り返されている場合は、優先的に改善すべき課題となります。

キーワード分析を行うことで、頻出する言葉やフレーズを抽出し、顧客が何を重視しているかを理解できます。これにより、接客や商品開発、施設改善の方向性を具体的に決定できます。

定性分析も重要です。数値だけでなく、顧客がどのような体験をして、どのような感情を抱いたかを読み解くことで、サービス全体の質を向上させるヒントが得られます。

外国人インフルエンサーとの連携で拡散を狙う

口コミサイトでの評価を高めるために、外国人インフルエンサーとの連携も効果的です。インフルエンサーが施設を体験し、その様子を動画やSNSで発信することで、口コミサイトへのレビュー投稿にもつながります。

インフルエンサー選定の際は、フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やターゲット層との一致度を重視しましょう。自社のターゲット市場に影響力を持つインフルエンサーを選ぶことで、効果的なプロモーションが可能になります。

体験レビューや動画投稿を通じて、施設の魅力をリアルに伝えることができます。インフルエンサーの投稿は広告よりも親近感があり、信頼性が高いと受け取られやすいため、口コミサイトへの誘導にも効果的です。

ただし、ステルスマーケティングにならないよう、PR投稿であることを明示し、透明性を保つことが重要です。各国の広告規制を遵守し、誠実な運用を心がけましょう。

UGC（ユーザー生成コンテンツ）の活用

UGCとは、ユーザーが自発的に投稿した写真や動画、口コミなどのコンテンツのことです。これらを自社のウェブサイトやSNSに再利用することで、信頼性の高いマーケティング素材として活用できます。

口コミサイトやSNSに投稿された写真や動画を、許可を得た上で自社の公式サイトやプロモーション資料に掲載することで、リアルな体験を伝えられます。企業が作成したコンテンツよりも、実際の利用者による投稿の方が信頼性が高いと受け取られやすいです。

UGCを活用する際は、著作権や肖像権に配慮し、投稿者から許可を得ることが必須です。また、出典を明記し、投稿者への敬意を示すことも大切です。

体験投稿キャンペーンを実施し、ハッシュタグを使った投稿を促すことで、UGCを増やす仕組みを作ることも有効です。投稿数が増えれば、自然と口コミサイトでのレビューも増加し、集客力の向上につながります。

まとめ

外国人口コミサイトの活用は、インバウンド集客を成功させるための重要な施策です。外国人旅行者の多くは口コミを信頼して行動するため、口コミサイトでの評価を高めることが、選ばれる施設になるための鍵となります。

情報を整備し、レビューを増やし、口コミに誠実に対応することで、長期的な信頼構築が可能です。さらに、口コミ分析やインフルエンサー連携、UGCの活用を通じて、マーケティング全体に口コミを活かすことで、持続的な集客効果を生み出せます。

今回ご紹介した方法を参考に、自社の口コミサイト戦略を見直し、インバウンド集客の強化に取り組んでみてください。