「温泉や大浴場はあるが、それだけでは差別化しきれない」「若い層やSNSで広がる需要を取り込めていない」「設備で勝負したいが、大きな投資は難しい」。こうした悩みを抱える宿泊施設のオーナー・運営者は少なくありません。

注目したいのが、サウナや温浴を軸にしたウェルネス需要です。心と体を整える滞在を求める旅行者は増えており、サウナは指名予約とSNSでの広がりを同時に生む強いテーマです。本記事では、ウェルネスツーリズムの広がりから、自施設で取り入れられる要素、ブランドの打ち出し方、SNSと写真の見せ方、訪日需要、プラン設計、効果測定までを解説します。

この記事の監修者

留田 紫雲

株式会社Dot Homes 代表取締役

留田 紫雲

サイバーエージェント、ABEJAでWebメディア運営とデジタルマーケティングに従事後、2015年に大学在学中でDot Homesを創業。2023年に西武ホールディングス傘下入りし、グループ最年少の子会社社長に就任。宿泊施設・スキー場など150以上のリゾートを支援。

なぜ今、サウナ・ウェルネスが宿の集客に効くのか

サウナ室でくつろぐ利用者

サウナ人気の高まりは一過性ではなく、健康や自分を整える時間への関心の高まりと結びついています。日帰りで楽しむだけでなく、ゆっくり整うために宿に泊まる流れが生まれています。サウナや温浴は、それ自体が来訪の目的になる強いテーマです。

宿にとっての利点は2つあります。一つは指名予約を生むこと。「あの宿のサウナに入りたい」という動機は、価格比較を飛び越えて直接予約につながります。もう一つはSNSとの相性です。整う体験や自然のなかの温浴は写真や動画で広がりやすく、広告費をかけずに認知を伸ばせます。

ウェルネスツーリズムという広がり

サウナストーン

サウナは入口で、その先にウェルネスツーリズムという大きな流れがあります。心身を整えることを目的にした旅で、温浴のほかにも取り込める要素は多くあります。

要素内容取り入れ方
温浴・サウナサウナ、水風呂、外気浴で整う既存の風呂・露天の活用、貸切化
自然・静けさ森林浴、星空、静かな環境立地そのものを体験として打ち出す
食と養生体にやさしい食事、地のもの既存の料理に健康の切り口を足す
休息・睡眠良質な睡眠、デジタルから離れる時間寝具や過ごし方の提案で価値を出す

すべてを一度にそろえる必要はありません。自施設にすでにある資源を、整える体験として言い換えるだけでも、ウェルネス需要に響くようになります。

自施設で取り入れられるウェルネス要素

自然の中で心を整えるひととき

大規模な投資をしなくても、工夫しだいでウェルネスの体験は作れます。たとえば既存の風呂に水風呂代わりの工夫を加える、露天や庭を外気浴の空間として整える、貸切の時間枠を設けて特別感を出す、といった方法です。

本格的なサウナを新設する場合は、安全と動線の設計が欠かせません。一方で、いまある温浴に休息と自然の要素を組み合わせるだけでも、整う滞在は十分に演出できます。まずは手元の資源を棚卸しし、何を体験として打ち出せるかを見極めましょう。

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サウナ・温浴を軸にしたブランド設計

木製サウナとロウリュ用バケツ

サウナや温浴を売りにするなら、宿全体の世界観と結びつけることが大切です。設備の説明にとどめず、「この宿で過ごすとどう整うのか」という体験の物語まで描くと、他にはない個性になります。コンセプトが定まると、写真も言葉も予約導線もぶれずに作れます。

ターゲットも明確にします。一人で静かに整いたい層、カップルや友人と過ごす層では、求める空気が違います。誰のための整う時間かを決め、その人に向けて宿全体を設計する。ブランド設計の考え方を土台にすると、サウナは単なる設備から宿の看板へと変わります。

SNS・写真で「整い」を見せる

サウナヒーターとサウナストーン

ウェルネスの体験は、視覚で伝わると一気に予約につながります。湯気の立つサウナ、澄んだ水風呂、自然のなかの外気浴。こうした場面は写真や短い動画と相性がよく、見た人の「行ってみたい」を強く動かします。

InstagramやTikTokのような視覚中心のSNSでは、整う体験の一場面が広がりやすく、宿を知らなかった層にも届きます。静かな雰囲気を壊さない範囲で、滞在中に写真を撮りたくなる場面を用意しておくと、お客様自身の発信でも広がっていきます。

訪日客・インバウンドのサウナ需要

湯けむりの立つ温泉

サウナや温浴、入浴文化は、訪日旅行者にとっても日本ならではの体験として人気があります。自然のなかで整う滞在は、長期で旅する欧米豪の旅行者とも相性がよく、客単価の高い予約につながりやすい需要です。

受け入れには配慮も要ります。入浴のマナーや使い方を多言語で分かりやすく案内し、文化の違いによる戸惑いを減らしておきましょう。インバウンド向けの情報発信や受け入れ体制と組み合わせると、ウェルネス需要を国内外の両面から取り込めます。

プラン設計 ― デイユース・宿泊・貸切

バスタブ付きの客室スパ

ウェルネスを収益につなげるには、プランの幅を持たせます。利用の仕方に合わせて選べる形にすると、宿泊以外の収益機会も生まれます。

  • 宿泊プラン:夕食や朝食と組み合わせ、ゆっくり整う滞在として打ち出す
  • 貸切プラン:時間で区切り、プライベートに整う特別感で単価を上げる
  • デイユース:日帰り需要を取り込み、平日の稼働や新規の入口にする
  • 連泊・滞在型:整える時間を重ねる長期滞在として提案する

こうしたプランは公式サイトの限定として用意すると、直予約の動機になります。デイユースで宿を知ってもらい、後日の宿泊につなげる流れも作れます。

効果測定 ― ウェルネス需要の成果を見る

スパのタオルとアメニティ

取り組みの成果は、数字で確かめます。見ておきたい指標は次のとおりです。

  • サウナ・ウェルネスプランの予約数と単価:通常プランと比べた売上への効き方
  • 指名検索・直予約の動き:宿名やサウナで検索して直接予約する流れが増えているか
  • SNSの反応:投稿の保存・拡散や、お客様の発信がどれだけ生まれているか
  • 口コミの評価:整う体験や静けさがどう語られているか

指名予約とSNSの反応が伸びれば、サウナ・ウェルネスが宿の看板になり始めたサインです。体験の質が高いほどお客様の発信が広がり、広告に頼らない集客の循環が生まれます。

まとめ:整う体験で選ばれる宿になる3つの軸

雪景色の中のサウナ小屋

サウナ・ウェルネス需要を取り込むには、次の3つが軸になります。

  1. いまある温浴と自然を、整う体験として言い換え、宿の世界観と結びつける
  2. 写真とSNSで体験を見せ、指名予約と発信の広がりを生む
  3. 宿泊・貸切・デイユースでプランの幅を持たせ、直予約に寄せる

まずは自施設の風呂や立地を、整う体験として見直すところから始めましょう。次に貸切やデイユースのプランを一つ用意し、体験の一場面を写真で発信する。大きな投資をしなくても、サウナとウェルネスは差別化の看板になります。

宿泊施設の自社集客に本気で取り組みたい方へ

Dot Homesでは、ウェルネスを軸にしたブランド設計からプランの組み立て、写真・SNSによる集客までを一貫してサポートしています。「温浴やサウナを宿の看板にしたい」という方も、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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